「架け橋」
第六十二話 タイ・ランゲージ・ステーション
ポンパン・レプナグ校長
著: 「あきない・えーど」所長 吉田雅紀

今回はタイ・ランゲージ・ステーションの
ポンパン・レプナグ校長をお訪ねしました。
http://www.tls-group.com/
前回はオーナーでしたが、今回は校長です(笑)。
そして、「よしだが行く!」始まって以来の外国人の社長です。
でも、正確には ポンパン校長は帰化してはるんで日本人です。
スクールの名前でもわかるように ポンパン校長はタイの出身です。タイ人のお父様と日本人のお母様の間に生まれはりました。故郷はバンコク。留学の為に15歳で単身来日。高校時代は静岡。大学時代を京都で過ごさはります。そうそう、お年のことに触れていませんでしたが、 ポンパン校長は校長先生ですが、今年31才です。(お若い!)
大学を卒業されて、横浜の中堅スーパーに就職しはります。ここはタイにも支店があって、そういう意味では ポンパン校長には近しい存在でした。積極的な ポンパン青年はどんなものにも自分から手を上げて参加しようとします。宴会でもみんなに楽しんでもらおうと、自分からお酒を持って、各テーブルを回ります。しかし、日本社会独特の文化の中になかなか溶け込むことができません。
ポンパン校長:「僕が積極的というのが災いしたと思うのですが、日本人の同僚には『でしゃばり』『ええカッコし〜』『上司に取り入ってる』ように見えたみたいです。僕にはそんなつもりはなかったのですが、日本ではみんなと違うことをすること自体がダメな社会ですもんね。僕はみんなからの冷たい視線の中で仕事をしていました。僕の国タイは『気配り』の国です。
周りの人に楽しんでもらう。これが大切。みんな親切で、みんな明るくて、みんなニコニコしてます。たとえば、道を急いでるとしましょう。ところが、前に何人かの人達がわいわい話しながら歩いています。その人たちで歩道がふさがれていて、追い越すことができません。さて、吉田さんならどうしますか? 日本人は歩道がふさがれているので、車道に降りて、迂回して追い抜くでしょう。でも、タイではみんな一言「すみません。通して下さい」と声をかけて、道を譲ってもらいます。声をかける方もニコニコ。「どうぞ」と道を譲ってくれる人たちもニコニコ。「ありがとう」もニコニコ。でも、日本で後ろから「すみません。通して下さい」と声をかけたら、怪訝な顔をされますよね。日本では人に迷惑をかけたらあかんのです。でも、僕はタイの方が好きです。迂回したり、避けて通っていたんでは「出会い」がありません。「すみません。通して下さい」「はい。どうぞ‥」ここにはふれあいがあり、人としての出会いがあります。吉田さん、そう思いません」 なるほど、僕も迂回する人です。そうか、そこには出会いがないんか‥?

さて、 ポンパン校長はそのスーパーを辞めて、大阪に出て来はります。大学は京都でしたが、大阪は未知の場所です。
ポンパン校長は1996年にタイ・ランゲージ・ステーションを設立しはります。場所は今と同じ、太融寺の南側です。ところが、生徒が集まりません。タイ語を勉強したい人がどこに居るのかもわかりません。
新聞に折り込みチラシをしてもタイ語に興味を持っている人に辿り着く確率はゼロに近いです。そこで、 ポンパン校長は考え付くことはなんでも試してみはりました。関空でタイからの帰り便を待って、そのお客さんにチラシを配る。タイ領事館に相談に行く。思いつくところには全部、チラシを置いてもらう。本屋さんでタイ関係の本にチラシをしのばす。軽犯罪ぎりぎりのところまで(笑)、考え付くことはみんな‥。

そして、究極の生徒募集の販促策にたどりつきました。それは本の出版です。タイ語の会話本や辞書、スラング集など次々に出版していかはります。本の中にはタイ・ランゲージ・ステーションの受講申込みハガキが入っています。本を書き始めたのが1997年。2000年には自前の出版会社、TLS出版社を設立してしまう勢い。
今ではタイ関係だけではなく。中国語にフィリピン語。そして、タイにおける「会社設立」の仕方なんていうビジネス書まで出してはります。このTLS出版社、印刷はタイでしてはります。今年、2月には新宿校がオープン。事業はどんどん成長しています。
ポンパン校長はタイ、大阪、東京と毎日飛び回ってはります。そんな ポンパン校長にこれからのことを最後にお聞きしました。
「だめでも、なんとかなるはず‥。この気持ちで今までもやってきました。今度、スタッフがタイ料理をしたいというのでレストランを出します。僕はタイと日本の架け橋になりたいと思っているので、今後もこの分野でがんばります。いつも自分の今は自分の人生の中で正しい生き方なのか?って自問自答しています。常に自分にとって正しい人生を選択したいと思っています。」
ポンパン校長。ありがとうございました。東京からお帰りのところを無理を言って時間を作っていただきました。本当に、本当に、ありがとうございました。今度からは僕も前の人に「すみません。通して下さい」って声をかけますね。それが、出会いですよね。
■「よしだが行く!」鞄持ち後記■
第62話 日本語教師 山本裕子
ちょうど1ヶ月に、第20回「創業準備オフィス数珠つなぎ」を書かせていただいた、日本語教師の山本裕子です。ポンパンさんは、私が、ぜひお会いしたい社長さんとして、リクエストしました。
ポンパンさんとの初めての出会い(?)は、今年2月6日の朝日新聞夕刊に、写真入りの記事を見つけた事でした。15歳で日本に来るまでは日本語が話せなかったそうですが、今はもちろんペラペラ。そして、タイ語学校を大阪、東京で開校されているという。日本語学校を開校しようと思っている私は、「おお!同じ語学学校をビジネスにして成功している!歳も近い!」と勝手に親近感を抱いてしまいました。一方で、「日本の社会って閉鎖的なところがあるし、コトバや文化の違いもあるし、きっとすごく努力されたんだろうなー」と想像しました。
新聞の切抜きが趣味の私は、その記事を大事にファイリングしておきました。再び、その記事を引っ張りだしてきたのは、創業準備オフィスに入居して、この企画を知った時でした。直接会ってお話が聞けるとは、何て素晴らしい企画!おまけに、メルマガとホームページで多くの人に発信される!このように実現していただいて、担当の柳瀬さん、そして吉田所長に感謝しております。
さて、実際にポンパンさんにお会いしての印象は、「バイタリティーがにじみ出てるー!」という事が1番強いです。とにかく、よくしゃべりはります。タイ語の本や辞書を書いて出版された、という事で、どさっと本を机に詰んで、いろいろと説説明してくださいました。日本とタイの文化の違いについて熱く語ってくださいました。
いろいろと書きたいことはあるのですが、中でも一番印象的だったポンパンさんのセリフを紹介したいと思います。それは、「人と違うことをしたい」、という事です。このコトバに、私は「うーん、そうだな!」と心の中でうなずいておりました。人と同じことをしていては、ナンバーワンにはなれない。自分の心の中にも、同じ思いがあることに気づかされました。そして、人と違うことをして成功するためには、「自分の強みを知ること」が大事だな、と思いました。ポンパンさんは、ご自分の強みをよーく知ってらっしゃるようにお見受けしました。
私も、もっと自分の強みを知ろう、と前向きパワーがみなぎっている今日この頃です。
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